京セラやKDDIの創業、JALの再建等の数々の業績を残されてきた稲盛和夫氏。稲盛氏によれば、人生・仕事の結果は、「考え方×熱意×能力」という 一つの方程式で表すことができるとのこと。
では、この方程式をどうやって活用していけばいいかを私なりに学びながら発信していきたいと思います。
◆参考図書
・稲盛和夫 「生き方」「考え方」「心。」
成功の方程式
人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力 で変わるといわれております。
では、それぞれを細かく見ていきましょう。
図解するとこのようになります。
実際に例を交えて考えると、次のように考えられます。
<例①>
何でもそつなくこなせるが、冷めており、受け身でしか受けれない人。
考え方:20 ×熱意:20 ×能力:100 =40,000
<例②>
勉強は苦手。でも努力でコツコツと学習を続けてきており、色々なものごとにも前向きに取り組んでいる人。
考え方:50 ×熱意:100 ×能力:20 =100,000点
<例③>
とても賢く、努力も続けてる人だが、その力で人を踏みにじることばかりしている人。
考え方:-50 ×熱意:100 ×能力:100 =-500,000
初めの能力が低いとしても、熱意をもって継続的に努力を続ければ、結果として能力がある人を抜くことがあるかもしれません。しかし、それ以上に「何のために」その努力をするのかが重要です。
考え方の点数がー100点から始まっている意味はここにある様な気がします。
今日はここまで。次はどうやってこれらを磨き続けるかについて、順次触れていきたいと思います。
【考え方】を磨くには?
そもそも、考え方ってどういうものでしょうか?前回では次のようにまとめてみました。
「ものごとの捉え方」という点で今回は考えてみたいと思います。
「常に」を意識するという事が重要
稲盛氏の教えの中に「常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で」というものがあります。
この「常に」というところがとても重要な要素だと思います。
人の心は、常に一定で波打つことない、なんてことはありません。
自信に満ち溢れているときもあれば、後ろ向きに腐った気持ちを抱くこともあります。
誰だって不安・不満を感じながら生きています。でも、常に前向きであれと。そう努力するように説かれています。
一度前向きになることができたとしても、それは一時のことかもしれない。前向きになんて、なれないかもしれない。
でも、そう思ったとしても、常にそうあれと思い続けて、心を磨き続けることが重要だという事ではないでしょうか?
私が思う「常に」の実践方法
私自身、前向きに生きることは苦手ですが、「常に」という言葉で、前向きになることにゴールはないのだと気が付きました。なので、日々自分が明るく楽しくなる瞬間がどういったものに起因しているかを気にするようになりました。
自分をそういったものに多く近づければ、結果的に前向きに近い状態できると思ったからです。
そうして気が付くと、好きな音楽や映画に触れたり、新しいことに挑むことで成長実感を得られ、日々を楽しく感じる。停滞が自分のマイナスにするので、どんどん新しいものに触れるようにしようと思っています。
【熱意】の高め方
「熱意=好き」
この記事を読んでくださっている皆さんにも、それぞれ趣味や好きなものがあるかと思います。
例えば、食後のコーヒーや紅茶、好きな食べ物、夏の青空などと色々探せば浮かんでくるものです。
よく、自分の趣味がわからないという人もいらっしゃいますが、自分の習慣を振り返ると、意外とこういった好きなものがちりばめられていることに気が付きます。
人の心を動かすって生半可なものじゃありません。好きによって続く行動には熱意があると思います。
「好き」には、とてつもないエネルギーがあると思います。
好きのエネルギーを使いこなせば、色々なことが変わるかもしれません。
好きになる努力
好きになる努力をするというフレーズが、稲盛氏の書籍を読む中で出てきます。また、盛和塾などのフィロソフィを学ばれた企業経営者の発信の中にも目にします。
【好きになる努力】と聞くと、違和感を感じる方もいるのではないでしょうか。
好きとは趣味嗜好や感性的なものであって、努力するものではないと。
この好きになる努力というものは、物事の上達にかかわる熱意・熱量のコントロールの仕方について触れられていると私は考えています。この好きになる努力について、私が経験した事例をご紹介したいと思います。
自分の「好き」を使いこなす(マラソンでの学び)
昔、私は長距離を走ることが大嫌いでした。運動部時代のランニングは嫌いだし、高校のマラソン大会などどうやってさぼれるかを真剣に考えました。(意図せず風邪で休んで補講で一人で走らされて、もっと嫌になりました)
なんでも、短期に決着をつけたがる即物的なところが私にはあります。なので、マラソンなどはその対極としてあまり好きにれないものでした。
しかし、ある時ホノルルマラソンの話に触れる機会がありました。ある経営関連のセミナーでホノルルマラソンの紹介をされたのです。その時に見た映像では、まだ夜も明けないうちから花火を背にスタートし、少しずつ青く色が移っていく空を眺めながらダイヤモンドヘッドの周りを走り抜け、最後は重い足を引きずりながらも、周囲の声援と綺麗な海を見ながらゴールへ駆け抜ける様子が描かれていました。
そんな情景に憧れ、思わず「出てみたい!」と気持ちが動かされ、気が付くと即エントリーをしてしまいました。
自分は、風景を見ることが好きで、マラソンをしている様子の写真からその空間に上がれてしまい、興味を持ちました。「嫌い」だった長距離走に「好き」になるきっかけを見つけた瞬間でした。
そこから約半年ちょっと程、毎日走り込みを始めました。最初は中々ペースも距離もよくならず、筋肉痛にも悩まされてました。でも並行してホノルルマラソンの情報を調べていると、自然とモチベーションも維持でき、いつの間にか5㎞、10㎞、20㎞と走れる距離も増えていきました。
12月の本番を迎えるころには、走ることが「好き」に代わっていき、そして無事に完走することができました。
振り返れば、好きになることのエネルギーの強さを感じたエピソードです。
この経験からの学びは、次の様なものがあります。
・好きには自分を動かす力がある
・嫌いなものでも、好きになる一面を見つけたときに取り組み方が変わる
→好きになるポイント探し=好きになる努力
・好きな面を見続けることで、モチベーションを維持できる
・継続していく中で、嫌いだったものが好きに変わることがある
今回は、好きの力について私自身の体験を振り返ってみました。
ここまで読んでいただいた皆さん、ありがとうございます。