【企業分析】ヤーマン株式会社
2025.03.09時点での情報にて作成
1. 企業情報
- 会社名: ヤーマン株式会社 (YA-MAN LTD.)
- 本社所在地: 東京都江東区古石場一丁目4番4号
- 代表者: 代表取締役社長 山﨑貴三代
- 設立: 1978年
- 事業内容: 美容機器の開発、製造、販売。通販、店販、直販、海外での事業展開。
- 従業員数: 432名(2024年4月時点)。
- 子会社:
YA-MAN U.S.A. LTD.
雅萌(上海)美容科技有限公司
雅萌(浙江)電子商務有限公司
株式会社forty-four
2. 業界情報
- 市場状況:
- 日本国内では、インバウンド需要の拡大や景気回復の兆しがある一方、資源価格の高騰や円安が影響。
- 海外市場では、中国の消費回復の遅れとRF規制による市場混乱が影響。
- 競合: パナソニック、フィリップス、MTGなどが主要競合。その他、I-neやMYTREXなどの新興企業も増えている。
- トレンド: パーソナライズ美容、サブスクリプションモデル、IoT対応機器の需要が増加。
3. 業績
第51期第2四半期 (2024年5月1日~10月31日)
- 売上高: 12,718百万円 (前年同期比 -32.4%)
- 営業利益: 643百万円 (前年同期比 -71.3%)
- 経常利益: 285百万円 (前年同期比 -89.1%)
- 純利益: 6百万円 (前年同期比 -99.6%)
- 売上構成: 美容機器 84%、化粧品 14%、その他 2%
- 地域別売上:
- 日本国内: 増加傾向 (特に店販部門のヘアケア、オーラルケア)
- 中国: 消費停滞とRF規制による大幅減少
- ベトナム: 大型路面店の開設で拡大中
◆売上推移および利益率

売上および利益率の推移を見ても、業績としては厳しい環境にさらされていると考えられる。
◆人件費・研究開発費・宣伝広告費比率

◆地域別売上高

4. 3C分析
1) Customer (顧客)
- ターゲット: 20代〜40代の美容に関心の高い女性層。
- ニーズ: 自宅で手軽に使える美容機器、高機能化、パーソナライズ。
- 課題: 中国市場での消費回復の遅れと規制対応。
2) Competitor (競合)
- 主要競合: パナソニック、フィリップス、ReFa。
- 競争優位性: 独自技術 (表情筋研究所との共同研究)、広い製品ラインナップ。
- 競争の課題: 高価格帯の製品に対する価格競争、広告費効率の改善。
3) Company (自社)
◆SWOT分析
- 強み:
- 美容機器に特化した開発力 (産学連携による研究)。
- 広告代理店「forty-four」の子会社化で広告効率改善を狙う。
- ベトナムでの大型路面店の開設で東南アジア市場を強化。
- 弱み:
- 中国市場での売上依存が高く、規制や消費低迷に脆弱。
- 直販部門のリピート商材への投資が先行。
- 機会:
- パーソナライズ美容機器の需要増。
- 海外市場 (特に東南アジア) での成長余地。
- 脅威:
- 円安による仕入れコスト上昇。
- 中国市場での規制強化。
5. 課題
- 中国市場への依存と規制リスク
- RF規制と消費低迷で売上が前年比 -63.6%。
- 【対応策】独自販路の拡大と中国関連会社の株式売却。
- 利益率の低下
- 広告費の削減と効率化が急務。
- 【対応策】forty-four社の子会社化で広告効率改善。
- 国内市場での新規カテゴリー拡大の遅れ
- 直販部門のリピート商材への投資が先行し収益化が遅延。
- 【対応策】ヘアケアやオーラルケアで売上を補強。
- コスト増による利益圧迫
- 円安と原材料費高騰による売上総利益率の低下。
- 【対応策】コスト構造の見直しと効率化。
6. まとめと戦略的提言
- 短期的:
- 広告費の効率化とコスト削減を徹底。
- 中国市場依存のリスク分散 (東南アジア市場の強化)。