2023年11月6日、スポーツ用品大手のNikeは、シューズのアッパー部分を編み物の技術を応用して作成する同社独自技術「Flyknit(フライニット)」に関連する特許を侵害したとして、同じくスポーツシューズ大手のニューバランスとスケッチャーズを提訴しました。
近年、NikeはこれまでにこのFlyknit関連の特許侵害でPUMA,Adidas,Lululemonに対しても訴訟を起こしており、注目されておりました。
※PUMA,Adidasとは和解済。Lululemonとの訴訟は継続中。
なお、ニューバランスは「競合他社の知的財産権を完全に尊重するが、何十年も前から業界で使われてきた伝統的な製造方法で靴をデザインし生産する独占的な権利をナイキは保有していない」とする声明を発表した。
訴訟情報
Nike, Inc. v. New Balance Athletics, Inc.
Case No.1:23-cv-12666
Filed: 11/06/2023
参考:https://insight.rpxcorp.com/litigation/madce-263327-nike-v-new-balance-athletics#overview
Nike, Inc. v. Skechers U.S.A., Inc.
Case No.2:23-cv-09346
Filed: 11/06/2023
参考:https://insight.rpxcorp.com/litigation/cacdce-904555-nike-v-skechers#overview
特許について
今回もそれぞれ複数の特許と複数のアイテムが対象となっています。
NewBalanceの場合
使用された特許はこちら。じつは、AdidasやLululemonに使われたものと同様のものと、それ以外のものもある状況です。
ターゲット
以下の21アイテムが対象となっています。特許はそれぞれ異なるアイテムに対して行使されています。
SKECHERSの場合
使用された特許は6件。
NewBalanceやAdidasと一部異なる特許が使用されています。
ターゲット
写真はこのように6アイテムなのですが、写真未記載で商品名だけで多くの商品が挙げられています。
今回も多くの特許によって権利行使がされたわけですが、
実は、NikeのFlyknnitの特許の一部はもうすぐ権利期間が満了する予定です。(来年3月)
権利が切れる直前に最後の行使として北米で勢いのある両社に対して訴訟を行ったものと思われます。
なお、日本での特許訴訟ではなく、あくまで米国のみになります。